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乳腺症

 

 いまから40年以上前に発行された『現代外科学大系』という当時の外科のすべてを網羅した教科書には、50ページ以上にわたってこの『乳腺症』について解説されており、診断・治療に苦労していたことを、うかがい知ることができます。

 

しこりの触知

 

  乳腺全体がごろごろした感じになる場合もあれば、片側のごく一部分にしこりが触知される場合もあります。

 

乳腺症の原因

 

 乳腺症は、女性ホルモンの一つであるエストロゲンが過剰となることで乳腺組織が変化し、ごろごろとしたしこりが触知される状態になります。外来では、『ホルモンバランスがアンバランスとなり、乳腺がむくんだ状態』と説明しています。『状態』と表現されるように、積極的に治療していく疾患としては、通常扱いません。

検診で乳腺症と診断されたら

 

 触診で『乳腺症』と診断されたら、『乳腺がごろごろしていて、これはちょっと触診だけで乳がんをみつけるのは難しいな...』といった意味合いだと思ってください。異動や引っ越しなど環境の変化する季節に多く見受けられます。育児や仕事による寝不足ですとか、脂肪分、カフェインの取りすぎも誘因と考えられてます。乳腺症があるからといって癌の発生する確率が増えたりすることはありませんが、乳がん自己検診でがんのしこりを見つけるのが多少難しくなります。もし視触診のみによる乳がん検診を受診し、乳腺症と診断されたら、一度、マンモグラフィ、乳腺超音波による検査を受けることをお勧めします。(視触診のみや、40才以上で乳腺超音波単独の乳がん検診は、お勧め致しません。)

 

乳腺症の治療

 

 治療として、症状が激しい場合は、薬物療法を行うこともありますが、通常、上記のようなストレスが軽減し、ホルモンバランスが改善すれば症状は、軽快していきます。あくまで疾患ではなくて、一時的な『状態』と考えてください。